ランニングやウォーキングを楽しんでおられる方も多いでしょう。子どもたちも寒い朝に長距離走に励んでいます。そこに加えて短い距離のバック走(後ろ歩きも)を一緒にしてみてください。
歩く・走る運動で主に刺激を受ける部位は脛や太ももの前面部です。逆に太もも裏などにはそれほど負荷はかかっていませんので少しバランスが崩れてしまします。バック走で太もも裏(ハムストリング)に適度な刺激を与えることで前後のバランスが修正されスムーズな動きを身につけることができます。スプリント走のタイムが早くなったという事例もあります。また高齢者のリハビリプログラムにも取りいれられていることからも転倒予防にも効果的です。
身体的成長期の子どもにとっても後方(重心)移動感覚は大切です。鉄棒の逆上がりやマット運動の後ろ回りの時に「後ろに動く感覚」に恐怖心をおぼえる子も多く習得に時間がかかる子も多くなっています。また対人競技や球技等は相手やボールに対して感覚的に俊敏な重心移動が必要となります。そういった動きの基礎は乳幼児期に発達・形成されますので重心をスムーズに移動する運動を数多く経験することが身体能力の開花につながります。
私たちの日常生活における動作は前向き(前方への移動)です。そもそも動物全般は前向きに移動するように目の位置や骨格、筋肉がついているのですが。運動機能の維持と向上のためにも、できるだけ広くて転んでも柔らかい芝生の上などでバック走を取り入れてみてください。
2020.2 くすのき瓦版掲載 「子どもの元気はたからもの」より
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